行方も知らぬ恋。

好きなものを好きなように。をモットーにマイペースにゆるゆると好きなものを語るブログ。

Time goes by ver.2...?

俺には夢がある。美容師になること。そのために上京して東京の有名な専門学校に行くことを決めた。でもまだそのことを彼女に言えてない。この前学校で彼女が友達と話してるのをきいてしまったから。

遠距離恋愛とかぜったいありえへんよね」「むりむり。だってすぐ会えないとか辛すぎ」「こたきくんは?卒業して地元の大学なん?」「たしかそうだったはずやで〜」

....まだ志望を変えたことを言えてない。このまま本当のことを言わずに別れたほうがお互いのためなんかな。遠くへいってしまう俺なんかよりもっと良いひとと出会って幸せになってもらいたい。

高校からの帰りの電車。環状線に揺られながらついに切り出そうとおもった。
「これがな〜これでなら〜....のぞむ?きいてる?」
『ん?きいてるで?』
「ほんま?なんか上の空やけど」
『あんな、話があるんやけど』
「...なに?」
『あのさ、俺らもう終わりにせーへん?』
「えっなんで!?誰かほかに好きなひとでもできたん!?」
『いや、、そういうわけちゃうけど.
.』
「じゃあなんなん?なんで別れるん?」
『もうお前のこと好きじゃなくなった というか嫌い』
「....嫌い、そっか....」
『いままでありがとうな、じゃ』

逃げるようにして電車を降りた。....これで良かったんよな。

あれから彼女とは逢わなかった。

東京へいく日。夜行バスのなかで一本の電話がかかってきた。バスのなかででれなかったから留守電を聞いたら彼女だった。
「なあのぞむ?なんで東京行くっていってくれなかったん?ほんまは嫌いになったんじゃないんやろ?東京行くから...遠距離になっちゃうから.....ピー...」


遠距離でもやっていけたんかな。でもこれで良かったんやきっとそうや。そう言い聞かせた。


ー数年後。
専門学校をでてお店実績積んでついに自分の店が持てるようになった。俺は大阪の地元に店を開くことに決めた。オープン前日。ひさしぶりに高校へ遊びにいってみることにした。懐かしい環状線。また彼女のことを思い出す。あれから彼女のことを忘れたことはない。いまなにしてるやろうか。結婚したんやろうか。幸せなんやろうか。

高校に遊びに行きお店に戻って開店準備をしていたそのとき。ひとがきた。

『すみません、オープンはあし...』
「ふふっひさしぶり」
『ひさしぶり....』
「びっくりしたやろ?友達からきいたからきちゃった」
『....なん..で?』
「会いたかったから....?」
『なんで疑問形なん(笑)』
「なんでやろ(笑)」
『いまなにしてるん?』
「保育士。こどもたちかわいいんよ〜」
『そういえば保育士夢やったな』
「うん。のぞむも夢叶えたんやね」
『一応、な』
「きっとかわいい彼女もおるんやろ〜?」
『おらんよ、ずっとおらんあれからずっと』
「えっ...?」
『遠距離になるから...遠距離なんてむりやって話してたのきいちゃったから勝手に別れ話きりだしてでも東京いってもやっぱ忘れられへんかったずっとずっと、すきやった
...ごめん、こんなこと 今更言われても困るよな』
「...わたしも、わたしもずっと忘れられへんかった 何人かと付き合っても結局のぞむと比べちゃって続かなくて、そんなとき、のぞむが戻ってくるってきいて思わず」

思わず抱きしめていた。
『ごめん、ごめんな』
ちゃんと、顔を見る。
『あのさ、やり直せへん?もう一回。俺と、、俺と、付き合ってください』
「うん。」

環状線乗らへん?再スタートしようや』
「そうやね」
そうして君の出した手を取る
もう一度この手が握れる


夕焼けに照らされたふたりの影が電車の中で伸びる

Fin.
ED:Time goes by

主人公:こたきのぞむ
彼女:高校の同級生

(関西弁あってんのかな....。)