行方も知らぬ恋。

好きなものを好きなように。をモットーにマイペースにゆるゆると好きなものを語るブログ。

Time goes by



上京してからひさしぶりに戻ってきた大阪。よく使ってた環状線に目的もなく乗ってみる。昔のことを思い出す。


ずっと付き合ってた彼女がいた。俺が通っていた高校はほとんどが地元の短大や大学に行って地元で就職。なんとなく大学行ってなんとなく就職して結婚して家庭もって。そう思っていた。でも夢ができた。それを叶えるために東京に行きたい。きっとみんなには反対される。だったらでっかくなって帰ってくるから。そうして上京することを誰にも言わずに大阪をでてきた。付き合ってた彼女とも別れて。ひとりで東京へでてきてなんとかがんばって胸張って帰ってこれるようになった。俺が上京したことを知った地元の友達はすぐに連絡してきた。
「なんでいってくれなかったんだよ。応援するに決まってんじゃん」って言ってくれた。ただひとりあれから一度も連絡をとってないひとがいる。彼女。風の噂で結婚することをきいた。元気かな。幸せかな。ほんとうに別れてきてよかったのか今だに考えてしまう。あれから何人かと付き合ったけどすぐ別れてしまう。彼女のことを思い出してしまうから。

...あ、親子連れが乗ってきた。席譲ろう。
『どうぞ』
「あっすみません。.....だいき?」
『えっ?.....あ、まこと.....?...ひさしぶり』
「ひさしぶり。帰ったきてたんや」
『うん、ひさしぶりの休みやったから』
「『....』」
『...こども産まれたんや』
「そう、まだ10ヶ月。」
『幸せそうやね』
「うん、こどもってかわいいんだよ。だいきは?」
『まだ独り身。相手いないし』
「だいきならモテそうなのに。」
『いや、そんなことないで。上京してから何人か付き合ったけどすぐ振られてまう』
「....上京か。だいきこのあと時間ある?」
『なんも予定ないから平気やで』
「じゃあちょっとだけ話したいことある」
『ええで』

電車を降りてカフェにはいる。

「あのな、うち知ってたんや。だいきが上京すること。だいきのおかんからきいてた。」
『えっ...?』
「だいききっと言わないだろうからって」
『それ知ってて別れたん?』
「だいきの足引っ張っちゃあかんと思ったから。わたしがいることでだいきが上京ためらうのは嫌やった」
『そうやったんや....』
「ちょっと辛かったけどな。そんなときにな、いまの旦那と出会ったんや」
『...ごめん』
「なんで謝るん?」
『いや、ちゃんと話さなくて...?』
「もしだいきが話してくれてたら今とは違う幸せがあったかもね。でも今もわたし幸せだよ?結婚してこうやってこども産まれて。だいきと付き合えてよかったとも思ってる。良い思い出。」
『そっか。なら良かった』

ひきずってたのは俺だけだったんだ

「でもね、ずっと気になってた。だいきのこと。だから今日会えてこうやって話せてよかった。」
『おれも。少しスッキリした。お幸せにな。』
「うん。ありがとう。だいきもね。」
『せやな。おれも幸せになんないとな』
「またこっち帰ってきたら連絡してや。みんなで飲もう。旦那も紹介するし。」
『おう。連絡する』
「またね、」
『うん、また今度』

...あのときの選択はただしかったのかもしれない。俺たちが一緒になるのは神様の計画にはなかったのかもな。
おれも前を向かなきゃ。

実家に戻るためにまた環状線に乗る。
座っていると駆け込み乗車してきた女の子がいた。
「はあ... えっしげおかさん!?」
『あまりちゃんやん!なんでここにいるん?』
「それはこっちのセリフですよー!わたしは出張だったんです、これからちょっと観光して東京帰るとこです」
『そうやったんや。この辺りおれの地元なんや、案内しよか?』
「そういえば大阪出身でしたもんね。いいんですか!?ぜひおねがいしたいです〜なにからしようか悩んでたとこなんで!」

Fin.
ED:Time goes by/ジャニーズWEST

主人公:しげおかだいき
まこと:元カノ
あまり:仕事場の後輩

関東人のわたしがノリと雰囲気で関西弁でかきました。おかしなところたくさんあると思いますがお手柔らかにおねがいします....